カテゴリ: Quarkus 更新日: 2026/02/12

QuarkusをGraalVMでネイティブコンパイルする方法を完全解説|初心者向けアーキテクチャ入門

QuarkusアプリをGraalVMでネイティブコンパイルする方法
QuarkusアプリをGraalVMでネイティブコンパイルする方法

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「Quarkusって起動が速いって聞いたんですが、どうしてなんですか?」

先生

「QuarkusはGraalVMと連携して、Javaアプリをネイティブ実行ファイルに変換できる仕組みを持っているからです。」

生徒

「ネイティブコンパイルって難しそうですが、初心者でもできますか?」

先生

「手順を一つずつ理解すれば大丈夫です。Quarkusはネイティブビルドを前提に設計されています。」

1. QuarkusとGraalVMの関係とは:なぜ爆速で動くのか?

1. QuarkusとGraalVMの関係とは:なぜ爆速で動くのか?
1. QuarkusとGraalVMの関係とは:なぜ爆速で動くのか?

Quarkus(クォーカス)は、モダンなクラウド環境に最適化されたJavaフレームワークです。その最大の特徴は、GraalVM(グラールブイエム)という特殊な実行基盤と連携することで、Javaアプリを「ネイティブイメージ」というWindowsの.exeファイルのようなOS専用の実行形式に変換できる点にあります。

従来のJava(JVM)は、アプリを起動した後に「どんな処理が必要か」を考えながら動くため、どうしても起動が重くなりがちでした。一方、QuarkusとGraalVMの組み合わせは、「事前の準備(ビルド)」に全力を注ぎます。実行時に必要な情報をビルド時にすべて確定させてしまうため、起動ボタンを押した瞬間にアプリが立ち上がる、驚異的なレスポンスを実現します。

未経験者向けイメージ:料理で例えると?
  • 従来のJava:お客さんが来てから「えーっと、材料はどこかな?」と冷蔵庫を探し、野菜を切ることから始める。
  • Quarkus × GraalVM:開店前にすべての材料を切り、あとは火を通すだけの状態にしておく。注文が入った瞬間に料理が出せる!

この「事前準備」の凄さを理解するために、非常にシンプルなJavaプログラムを例に見てみましょう。


public class FastStartApp {
    public static void main(String[] args) {
        // Quarkusは、この一瞬の挨拶すら「無駄」を省いて最速で実行します
        System.out.println("QuarkusとGraalVMで、Javaがもっと自由になります!");
    }
}

一見、普通のJavaコードですが、Quarkusはこのコードが「リフレクション(動的な解析)」など、実行速度を落とす仕組みを使っていないかをビルド時に厳しくチェックします。 GraalVMはこのチェック結果を受け取り、特定のOS(LinuxやWindowsなど)専用のバイナリに変換します。これにより、メモリ消費量を数分の一にまで削減し、コンテナやサーバーレス(AWS Lambdaなど)といった、一瞬の起動速度がコストに直結する環境で圧倒的な強さを発揮するのです。

2. ネイティブコンパイル前に理解しておくアーキテクチャ

2. ネイティブコンパイル前に理解しておくアーキテクチャ
2. ネイティブコンパイル前に理解しておくアーキテクチャ

Quarkusの内部アーキテクチャでは「ビルド時最適化」が重要な考え方になります。 CDIによる依存性注入、RESTエンドポイントの解析、設定ファイルの読み込みなどを実行時ではなくビルド時に確定させます。 これにより、GraalVMのネイティブイメージ生成時に不要なクラスやリフレクションを減らすことができます。

ネイティブコンパイルでは、リフレクションや動的クラスロードが制限されます。 Quarkusはこの制約を考慮し、あらかじめ必要なメタデータを生成する仕組みを備えています。 そのため、開発者は通常のJavaコードを書くだけで、GraalVM対応を意識しすぎる必要がありません。

3. GraalVMのインストールと確認

3. GraalVMのインストールと確認
3. GraalVMのインストールと確認

Quarkusアプリをネイティブコンパイルするには、事前にGraalVMをインストールしておく必要があります。 GraalVMは通常のJDKと同様に環境変数を設定して使用します。 インストール後は、native-imageツールが利用できることを確認します。


gu install native-image

このコマンドにより、Javaコードをネイティブバイナリへ変換するための機能が追加されます。 Quarkusでは、このnative-imageを内部的に利用してビルドが行われます。

4. Quarkusアプリをネイティブコンパイルする基本手順

4. Quarkusアプリをネイティブコンパイルする基本手順
4. Quarkusアプリをネイティブコンパイルする基本手順

Quarkusプロジェクトでは、MavenまたはGradleを使って簡単にネイティブビルドを実行できます。 Mavenの場合、特別なプラグイン設定を追加しなくても、Quarkus拡張がすでに組み込まれています。 以下は代表的なネイティブビルドコマンドです。


./mvnw package -Pnative

このコマンドを実行すると、GraalVMを使用してネイティブイメージが生成されます。 ビルドには通常のJVMビルドより時間がかかりますが、その分実行時の性能が大きく向上します。

5. シンプルなRESTエンドポイント例

5. シンプルなRESTエンドポイント例
5. シンプルなRESTエンドポイント例

実際にネイティブコンパイルされるQuarkusアプリの例を見てみましょう。 以下は非常にシンプルなREST APIの例で、GraalVMネイティブイメージにも対応しています。


import jakarta.ws.rs.GET;
import jakarta.ws.rs.Path;

@Path("/hello")
public class HelloResource {

    @GET
    public String hello() {
        return "Hello Quarkus Native!";
    }
}

このようなシンプルなコードでも、Quarkusではビルド時に解析され、ネイティブ実行ファイルとして最適化されます。 実行時にはJVMが存在しないため、起動は一瞬で完了します。

6. application.propertiesとネイティブビルド

6. application.propertiesとネイティブビルド
6. application.propertiesとネイティブビルド

設定ファイルもネイティブコンパイルに影響します。 Quarkusではapplication.propertiesの内容をビルド時に読み込み、必要な設定だけをバイナリに埋め込みます。 これにより、実行時の設定解析コストを削減できます。


quarkus.http.port=8080
quarkus.native.enable-http-url-handler=true

ネイティブビルド時に不要な設定を減らすことで、より軽量なバイナリを生成できます。 設定管理もQuarkusのアーキテクチャの重要な要素です。

7. ネイティブ実行ファイルの起動と確認

7. ネイティブ実行ファイルの起動と確認
7. ネイティブ実行ファイルの起動と確認

ネイティブコンパイルが完了すると、targetディレクトリ内に実行可能ファイルが生成されます。 このファイルはOS依存ですが、JVMを必要とせず直接起動できます。


./target/quarkus-app-runner

起動時間が非常に短く、メモリ使用量も抑えられていることを確認できるでしょう。 これがQuarkusとGraalVMを組み合わせる最大の利点です。

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