カテゴリ: Quarkus 更新日: 2026/02/11

Quarkusのアーキテクチャを理解する完全ガイド!JVMモードとネイティブモードの違いを初心者向けに解説

Quarkusのアーキテクチャを理解する:JVMモードとネイティブモード
Quarkusのアーキテクチャを理解する:JVMモードとネイティブモード

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「QuarkusってJVMモードとネイティブモードがあると聞いたんですが、何が違うんですか?」

先生

「Quarkusの大きな特徴が、その二つの実行モードを選べるアーキテクチャにあります。」

生徒

「普通のJavaアプリとは何が変わるんでしょうか?」

先生

「Quarkusの内部構造と一緒に、JVMモードとネイティブモードの考え方を整理していきましょう。」

1. Quarkusのアーキテクチャ概要:なぜ「爆速」なのか?

1. Quarkusのアーキテクチャ概要:なぜ「爆速」なのか?
1. Quarkusのアーキテクチャ概要:なぜ「爆速」なのか?

Quarkus(クオーカス)は、「Container First(コンテナ第一主義)」を掲げ、クラウドネイティブ時代のJavaアプリケーションのためにゼロから設計された革新的なフレームワークです。

従来のJavaフレームワーク(Spring Bootなど)は、アプリケーションを起動してから「どの設定を使うか」「どの部品を組み合わせるか」をスキャンして判断していました。これを「ランタイム処理」と呼びますが、この仕組みだと起動が遅くなり、メモリも大量に消費してしまいます。特に、使いたい時だけ動かすサーバーレス(AWS Lambdaなど)や、小さな単位で動かすマイクロサービス環境では、この「重さ」が大きな弱点でした。

Quarkusはこの問題を「ビルド時(プログラムを動かす準備段階)」に解決します。

ポイント:Build Time vs Runtime
Quarkusは、本来「実行時」に行っていた重い処理を「ビルド時」に前倒しして済ませてしまいます。これにより、実行時は「ただ動くだけ」の状態になり、圧倒的な軽さを実現しています。

例えば、初心者の方にも分かりやすい「挨拶を返すだけのプログラム」で、そのシンプルさをイメージしてみましょう。


// Quarkusで作成する最もシンプルなWebエンドポイントの例
import jakarta.ws.rs.GET;
import jakarta.ws.rs.Path;

@Path("/hello")
public class GreetingResource {

    @GET
    public String hello() {
        // 実行時はこのメッセージを返す準備が既に整っている
        return "こんにちは!Quarkusの世界へようこそ。";
    }
}

このコード自体は従来のJavaと似ていますが、裏側ではQuarkusが「このクラスは /hello でアクセスされる」という情報をビルドの瞬間に確定させています。この「ビルドタイム最適化」という設計思想こそが、後に解説する「JVMモード」と「ネイティブモード」という2つの強力な実行方式を支える土台となっているのです。

2. JVMモードとは何か

2. JVMモードとは何か
2. JVMモードとは何か

JVMモードは、従来のJavaアプリケーションと同じように、 Java仮想マシン上でQuarkusアプリケーションを実行する方式です。 開発中やローカル環境では、このJVMモードが最もよく使われます。

QuarkusのJVMモードは、通常のJavaフレームワークと比べて起動が速く、 開発者が慣れ親しんだJavaの仕組みをそのまま利用できる点が特徴です。 ホットリロードやデバッグもしやすく、初心者にも扱いやすい実行モードです。

3. JVMモードでの基本的な実行イメージ

3. JVMモードでの基本的な実行イメージ
3. JVMモードでの基本的な実行イメージ

JVMモードでは、Quarkusアプリケーションはjarファイルとして起動されます。 ビルド時に最適化は行われますが、実行時にはJVMの仕組みを活用します。


public class MainApp {
    public static void main(String[] args) {
        System.out.println("Quarkus JVM mode");
    }
}

このように、Javaとしての実行イメージは非常にシンプルです。 JVMモードは、開発効率と安定性を重視したQuarkusの基本的な実行形態といえます。

4. ネイティブモードとは何か

4. ネイティブモードとは何か
4. ネイティブモードとは何か

ネイティブモードは、GraalVMを利用してQuarkusアプリケーションを ネイティブバイナリとしてコンパイルし、直接実行する方式です。 これにより、JVMを起動せずにアプリケーションを実行できます。

ネイティブモードの最大の特徴は、起動時間の短さとメモリ使用量の少なさです。 数ミリ秒で起動するため、サーバーレスやマイクロサービスとの相性が非常に良くなります。

5. ネイティブモードの内部構造

5. ネイティブモードの内部構造
5. ネイティブモードの内部構造

ネイティブモードでは、アプリケーションのクラス情報やリフレクション情報を ビルド時に解析し、実行時に必要な情報だけをバイナリに含めます。 これがQuarkusのビルドタイム最適化の中心となる考え方です。


public class NativeApp {
    public static String message() {
        return "Quarkus Native mode";
    }
}

実行時には、このコードがOS上で直接動作するため、 JVMの初期化コストが不要になります。 これがネイティブモードの高速起動を実現する理由です。

6. JVMモードとネイティブモードの違い

6. JVMモードとネイティブモードの違い
6. JVMモードとネイティブモードの違い

JVMモードとネイティブモードの違いは、実行環境と最適化のタイミングにあります。 JVMモードは実行時に最適化が行われるのに対し、 ネイティブモードはビルド時に多くの処理を済ませます。

その結果、JVMモードは柔軟性と開発のしやすさに優れ、 ネイティブモードは性能とリソース効率に優れた構成になります。 Quarkusは、この二つを用途に応じて使い分けられる点が大きな強みです。

7. どちらのモードを選ぶべきか

7. どちらのモードを選ぶべきか
7. どちらのモードを選ぶべきか

開発中や学習段階では、まずJVMモードを選択するのが一般的です。 デバッグやホットリロードが容易で、Javaの知識をそのまま活かせます。

本番環境やクラウド環境では、ネイティブモードを選ぶことで、 起動時間の短縮やコスト削減につながります。 Quarkusのアーキテクチャは、この切り替えを前提に設計されています。

8. Quarkusアーキテクチャを理解する意義

8. Quarkusアーキテクチャを理解する意義
8. Quarkusアーキテクチャを理解する意義

QuarkusのアーキテクチャとJVMモード、ネイティブモードの違いを理解することで、 なぜQuarkusがクラウドネイティブに強いのかが見えてきます。 単なる高速フレームワークではなく、 実行環境まで含めて最適化された設計思想が背景にあります。

初心者のうちは難しく感じるかもしれませんが、 仕組みを理解しておくことで、後の設計や技術選定が非常に楽になります。 これがQuarkusのアーキテクチャを学ぶ最大の価値です。

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