DockerでMicronautを動かす準備とは?初心者向けに構築の考え方を解説
生徒
「MicronautアプリをDockerで動かすには、何から始めればいいですか?」
先生
「まずはDocker自体の理解が必要です。Dockerはコンテナを使ってアプリを環境依存なく動かす技術で、Micronautアプリもこのコンテナ上で実行できます。」
生徒
「コンテナ化するメリットは何ですか?」
先生
「環境の違いによる動作不具合を防げること、依存ライブラリを含めてアプリを一つの単位で配布できること、CI/CDでの自動デプロイが容易になることです。」
生徒
「具体的にはMicronautアプリをDockerで動かすために何を準備すればいいですか?」
先生
「Dockerfileを作成し、ベースイメージの選定、アプリのビルド、必要なポートの公開、実行コマンドを指定することが基本です。またGradleで作ったMicronautアプリをコンテナ内でビルドする方法もあります。」
1. Docker環境の準備
まず最初に行うのが、Dockerを使える環境を自分のパソコンに用意することです。 Dockerはアプリを「コンテナ」という単位で動かす仕組みなので、本体がインストールされていないと何も始まりません。 WindowsやMacを使っている場合は、Docker Desktopをインストールするのが一番分かりやすく、初心者にもおすすめです。 画面の案内に沿って進めるだけで、特別な設定をしなくてもDockerが使える状態になります。
Linuxの場合は、ディストリビューションごとに公式リポジトリが用意されており、パッケージ管理ツールからインストールできます。 どの環境でも共通して大切なのは、「Dockerコマンドが正しく動くか」を最初に確認することです。 インストール後は、ターミナルを開いて次のコマンドを入力してみてください。
docker --version
このコマンドでDockerのバージョン番号が表示されれば、Docker本体は正しくインストールされています。 もし「コマンドが見つからない」と表示された場合は、インストールが完了していないか、再起動が必要なケースがほとんどです。 焦らず一つずつ確認しましょう。
さらに余裕があれば、Dockerが実際に動くかを確かめる簡単な確認もおすすめです。 以下のコマンドは、テスト用のコンテナを起動してメッセージを表示するものです。 内容が分からなくても、「Dockerが動いた」という体験ができれば十分です。
docker run hello-world
このコマンドを実行して、Dockerからのメッセージが表示されれば準備は万全です。 ここまでできていれば、次のステップでMicronautアプリをDocker上で動かすための作業に安心して進めます。 まずは「Dockerを起動できる状態を作る」ことを、この段階のゴールとして覚えておきましょう。
2. Micronautアプリのコンテナ化の考え方
MicronautアプリをDockerで動かすときは、「アプリを動かすのに必要なものを、ひとまとめにする」という考え方が基本になります。 ふだんはパソコンの中にJavaや設定ファイルが散らばっていますが、コンテナ化すると同じ手順・同じ環境で起動できるようになります。 その結果、「自分のPCでは動くのに、別のPCやサーバーでは動かない」といった環境差のトラブルを減らせます。
具体的には、MicronautアプリのJarファイル(アプリ本体)と、実行に必要なJDKを含んだベースイメージを用意して、そこへアプリを載せるイメージです。 まずは「Javaが入った箱を用意して、そこにアプリを入れて起動する」と考えると分かりやすいです。 初心者のうちは、軽量さよりも分かりやすさと確実さを優先して、JDK入りのイメージを選ぶのがおすすめです。
例えば「JDK入りのLinux環境を使ってJarを実行する」という形は、もっとも基本的で失敗しにくいパターンです。 逆に、コンテナを小さくしたい場合は、GraalVMでネイティブイメージを作り、より軽い実行環境で動かす方法もあります。 ただし最初は、まずJarで動かす流れを掴んでからでも十分です。
コンテナ化のイメージを掴むために、最低限の動きだけを確認するなら、次のような「Jarを実行するコマンド」を押さえておくと理解が早くなります。 Dockerfileの中身を見るときも、この一行が最終ゴールだと思って読むと迷いにくいです。
java -jar app.jar
つまり、Micronautアプリのコンテナ化とは「コンテナの中でこのコマンドが動く状態を作ること」と言い換えられます。 あとは、そのためにどのJDKを使うか、どこにJarを置くか、どのポートを使うかをDockerfileで決めていく流れになります。 ここを押さえておけば、次のDockerfile作成も自然に理解できるようになります。
3. Dockerfileの作成例
Dockerfileは「この順番でコンテナを作ってね」という手順書のようなものです。 MicronautアプリをDockerで起動する場合も、DockerfileにどのJava環境で、どのJarを置き、どのコマンドで起動するかをまとめて書きます。 ここを押さえると、毎回同じ手順でコンテナを作れるので、作業がぐっと楽になります。
まずは初心者向けに、いちばん基本の形を見てみましょう。 「Javaが入ったイメージを使う → 作業用フォルダを決める → Jarをコピーする → ポートを開ける → 起動コマンドを書く」という流れになっています。
FROM eclipse-temurin:17-jdk-alpine
WORKDIR /app
COPY build/libs/micronaut-app-all.jar app.jar
EXPOSE 8080
ENTRYPOINT ["java","-jar","app.jar"]
それぞれの行の意味を、順番にかみ砕いて確認します。 FROMは土台になる環境で、ここではJavaが使えるJDK入りのイメージを選んでいます。 WORKDIRは「コンテナ内の作業場所」で、以降の操作は基本的にこのフォルダの中で進みます。 COPYは「ローカルのJarをコンテナへ入れる」操作で、Micronautアプリを動かす本体がここで渡されます。
EXPOSE 8080は「このコンテナは8080番ポートを使う想定だよ」という目印です。
実際に外からアクセスできるようにするには、あとでdocker run -p 8080:8080のようにポートをつなぐ必要がありますが、まずは「アプリが8080で待ち受ける」前提をDockerfileに書いておくイメージです。
最後のENTRYPOINTは「コンテナが起動したらこれを実行してね」という指定で、ここでJarが実行されます。
なお、COPYで指定しているJarのパスは、プロジェクトの作り方によって名前が変わることがあります。
「ファイルが見つからない」と出たら、build/libsフォルダにあるJar名を確認して、Dockerfile側の名前を合わせるのが基本です。
ここが合っていると、コンテナ起動時にMicronautが立ち上がり、ログに「Server running」のような表示が出るようになります。
4. Dockerビルドと起動
Dockerfileを作成したら、以下のコマンドでイメージをビルドできます。
docker build -t micronaut-app .
ビルド後は以下のコマンドでコンテナを起動します。
docker run -p 8080:8080 micronaut-app
これでローカルの8080ポートからMicronautアプリにアクセスできます。
5. 開発環境での注意点
開発中はコンテナ内でのビルドやホットリロードに対応させるため、ボリュームマウントを利用することもあります。これによりソースコードを変更すると即座にコンテナ内で反映されるため、効率的に開発できます。また、環境変数をDocker Composeで切り替えることで、dev・test・prod環境ごとに簡単に設定を変更可能です。
6. ベストプラクティス
コンテナイメージを小さく保つために、マルチステージビルドを使うと便利です。ビルド用のイメージと実行用のイメージを分けることで、不要なライブラリを実行環境に残さず、軽量でセキュアなコンテナを作成できます。また、Gradleのキャッシュや依存関係を適切に利用して、ビルド時間の短縮も心がけるとよいでしょう。
7. ポイント整理
Dockerを使ったMicronautアプリの構築は、環境差異の問題を解消し、開発と本番環境の整合性を高めます。初心者でもDockerfileを理解し、Jarファイルをコピーして起動する基本パターンを押さえるだけで、簡単にコンテナ化できます。さらにネイティブイメージやマルチステージビルドを活用することで、より効率的で軽量なコンテナ環境を構築できます。
まとめ
今回押さえたい結論
今回の記事では、ドッカーを使ってマイクロノートのアプリを動かすために、最初に何を用意して、どんな順番で組み立てれば迷いにくいかを整理しました。 はじめは難しく見えても、考え方はとても単純で、アプリを動かすための道具と設定を一つの箱にまとめ、どのパソコンでも同じ手順で起動できるようにするだけです。 その箱がコンテナで、箱の作り方を書いた設計図がドッカーファイルです。 仕組みを理解しておくと、開発環境と本番環境の差でつまずく場面が減り、動くかどうかの確認も落ち着いて進められます。
特に初心者の方は、環境をそろえる作業で時間を取られがちです。 しかしコンテナ化の基本パターンを覚えると、依存関係や実行方法を毎回思い出す必要がなくなります。 まずはアプリのジャーを用意し、ベースとなる実行環境を選び、作業用の場所を決め、ファイルを配置し、外に公開するポートを指定し、最後に起動コマンドを決める。 これだけで、コンテナの中でマイクロノートのサーバが立ち上がり、ブラウザから確認できる状態になります。
準備でつまずかないための見取り図
ドッカーを使う前に確認したいのは、ドッカー本体が動く状態かどうかです。 端末でバージョンが表示できれば準備は整っています。 次に意識したいのは、アプリを起動する材料がそろっているかです。 コンテナは魔法の箱ではなく、入っていないものは動きません。 そのため、実行に必要なランタイムと、アプリ本体の成果物をそろえてから箱に詰めます。 ここを丁寧に押さえると、起動できないときの原因が追いやすくなります。
さらに、開発中と運用中では目的が少し変わります。 開発中は変更の確認を早くしたいので、ボリュームマウントでソースを見せたり、設定を環境変数で切り替えたりします。 逆に運用では、軽くて安全で再現性の高いイメージが大切です。 だからこそ、マルチステージビルドで不要なものを取り除き、実行に必要な部分だけを残すやり方が役に立ちます。 ここまで理解できると、ドッカーの学習が一段進み、継続的なデプロイの流れも見えやすくなります。
サンプルプログラムで全体像を復習
ここでは記事の内容を一つの流れとして思い出せるように、最小構成の例をまとめて載せます。 細かな最適化は後回しでかまいません。 まずは、アプリを動かす箱を作って起動し、同じ結果が再現できることを体験するのが大切です。 下の例では、実行環境を用意して、成果物を配置し、公開するポートを決め、起動コマンドを指定しています。 この形をベースにすれば、ほとんどのマイクロノート入門プロジェクトで応用できます。
FROM eclipse-temurin:17-jdk-alpine
WORKDIR /app
COPY build/libs/micronaut-app-all.jar app.jar
EXPOSE 8080
ENTRYPOINT ["java","-jar","app.jar"]
コンテナの作成と起動は、次の二段階です。 はじめにイメージを作り、次にそのイメージからコンテナを起動します。 起動したら、ポートの対応付けが正しいかを確認し、ブラウザや外部ツールでアクセスできるかを確かめます。 もしつながらないときは、ポート番号の指定と、アプリ側がどのポートで待ち受けているかを見直すと解決しやすいです。
docker build -t micronaut-app .
docker run -p 8080:8080 micronaut-app
よくある失敗と確認ポイント
初心者の方が最初に遭遇しやすい失敗は、成果物の場所が違う、ファイル名が違う、という単純なずれです。 ビルドしたジャーが指定した場所に無いと、コピーの段階で止まります。 次に多いのがポートの勘違いで、外側のポートと内側のポートが一致していないためにアクセスできないケースです。 もう一つは、コンテナは起動しているのにアプリがすぐ落ちてしまうケースで、これは起動コマンドや環境変数、設定値の不足が原因になりやすいです。 エラーの文章を全部読む必要はありませんが、どの行で止まったか、どの単語が出ているかだけ拾うと、手がかりが見つかります。
また、開発と運用を同じイメージで考えると混乱しやすいです。 開発では速度と試しやすさ、運用では軽さと安全性が大切です。 その切り分けを支えるのがマルチステージビルドで、ビルド用の段階では必要な道具を使い、実行用の段階では余計なものを残さない、という考え方です。 これによりイメージが小さくなり、配布も速くなり、攻撃される面も減ります。 小さな積み重ねですが、実務ではこの差が効いてきます。
手順を自分の言葉で説明できるかが目安
学習を進めるときは、コマンドを暗記するよりも、なぜその順番なのかを説明できるかを目安にすると伸びが早いです。 例えば、ベースイメージを選ぶのは実行に必要な言語環境を入れるためで、作業場所を決めるのはファイル配置を分かりやすくするためです。 そして成果物をコピーするのは、コンテナの中にアプリ本体を持ち込むためで、ポート公開は外からアクセスできる入口を作るためです。 最後に起動コマンドを固定することで、誰が起動しても同じ動きになります。 ここまで言えるようになると、少し構成が変わっても自力で組み替えられます。
もう一歩だけ踏み込むなら、ログの見方も身に付けておくと安心です。 コンテナが動いているか、アプリが動いているかは別問題なので、まずはコンテナの状態を確認し、次にアプリの起動ログを追います。 起動直後に落ちる場合は設定値やファイルの不足が疑われ、起動はしているのに応答がない場合はポートや待ち受け先のずれが疑われます。 この切り分けができるだけで、トラブル対応の時間が大きく減ります。
生徒
「ドッカーって難しいと思っていましたが、箱を作って同じ手順で動かすための仕組みだと聞いて、少し怖さが減りました。 マイクロノートのアプリも、ジャーを用意してドッカーファイルで配置と起動を決めれば動くんですね。」
先生
「その理解で大丈夫です。 まずは環境差をなくすことが一番の価値です。 ドッカーは開発者のパソコンと本番サーバの違いを吸収して、同じ起動結果を出しやすくします。 だから、起動できたときの手順を記録しておくと、次から迷いません。」
生徒
「ビルドと起動が二段階というのも覚えました。 先にイメージを作って、次にポートを指定してコンテナを起動する。 つながらないときは、外側と内側のポートを見直すんでしたね。」
先生
「その通りです。 それから、運用では軽くて安全なイメージを意識しましょう。 マルチステージビルドで不要な道具を外すだけでも、サイズと安全性が変わります。 まずは基本の形でコンテナ化できるようになり、慣れてきたら軽量化や設定の切り替えにも挑戦すると、学びが自然につながっていきます。」
生徒
「なるほど、最初は基本形を固めて、次に改善していくんですね。 ドッカーとマイクロノートの組み合わせで、開発と本番の差を減らせるイメージが持てました。」
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